スマートフォンアルバムの良心的な価格設定から日本における「韓流マーケティング」問題の本質を再確認

とりあえずこの記事をどうぞ。
例によって基本的に自動翻訳(+多少の脳内補完)でございます。
翻訳元記事:http://www.newsen.com/news_view.php?uid=201004161436421002&code=100200

イ・ヒョリ、4集アプリケーションで発売‘全世界同時公開’

‘トレンド アイコン’歌手イ・ヒョリがアプリケーションを通じて、もう一度トレンドを主導する。


イ・ヒョリ所属会社エムネットメディアは“15日イ・ヒョリ4集アプリケーションをアップストア(App-Store)に全世界同時公開した”と明らかにした。


4集音源を公開した後アルバム前収録曲14曲が各種音源サイトTop 50位圏を全部占領するなど爆発的な反応を導いているイ・ヒョリは全世界オープン マーケットと呼ばれるアップストアにも今回の4集を自信ありげにリリースして今回のアルバムを世界の人に聞かせる計画だ。


今回公開されるアプリケーション価格は5.99$(USD)でアルバム全曲とアルバム ジャケット イメージ、ミュージックビデオの鑑賞が可能で外部でもイ・ヒョリ音楽を‘見ながら’楽しむことができる長所を持っている。


今回のアプリケーション開発に参加したエムネットメディア関係者は“イ・ヒョリ4集‘H.ロジック’(H.LOGIC)の全てのものを入れるために心血を注いで開発した”、“ビジュアルの極致を見せるイ・ヒョリがアプリケーションを通じてもトレンディーでスタイリッシュな構成をアピールするだろう”と伝えた。


SMEに引き続きmnetもこの分野に参入ということでますます楽しみになってきたスマートフォンアルバム市場ですが、今回注目したいのはその価格面について。
SNSDの2集アプリも7.99$(900円)というずいぶん良心的に思える価格設定でしたが、イ・ヒョリさんの4集アプリはさらに安い5.99$(700円)でリリースされております。*1
なぜこのような良心的な価格設定になるんだろうか?ということを考えてみると、やはりApp Storeという「全世界共通のプラットホームで配信される」という要因が大きいように思われます。国外市場を考慮に入れていながらも同時に国内のオンライン音源市場においても競争が可能な範囲の価格帯を設定しなければならない。その条件を満たすのが上記の価格ということになるのでしょう。


一方、日本国内に目を移してみますと、つい最近の例では大国男児とRainbowという新人どうしの明らかにファン層が重ならないであろうよく分からない組み合わせのジョイントコンサートのチケットが7980円だったりと、とかく韓国絡みのエンタメ系のコンテンツやイベントって半ばぼったくりにも感じられるような価格設定のものが多いような印象があります。よく言われる「韓流価格」というやつです。
こういう価格設定ってまず「日本市場ではこれぐらいでも大丈夫」という認識があって、それが「日本市場でのみ」行われるが故に通用するものなんだという点がポイントだと思います。そんな当たり前のことを何をいまさらという感もありますが、上記のiPhoneアプリにおける「価格とプラットフォームの関係性」の一例を見たりすると、いわゆる「韓流マーケティング」的な手法全般に対して自分が感じるいろいろな違和感というのは、突き詰めていくとすべての元凶は結局その「日本市場に特化した形態」にあるのではないだろうかという考えに至りました。


価格的な側面以外の部分でも、しばしば賛否が分かれる日本語歌唱や、最近の4minute周辺で顕著な空疎なキャッチフレーズの乱発などといった事柄はすべて日本市場に特化しようとする試みとして行われていることは言うまでもないでしょう。この「日本市場に特化しようとする試み」が孕む最大の危険性*2は、それを行う者がそれによって本来の姿とは別物の姿になってしまうかもしれないという点です。「日本市場に特化した姿」を見てファンになった人は問題ないですが、それ以前からのファンはある種の型にはまった姿に対して少なからず違和感を抱いてもおかしくありません。特に今の時代はYoutubeや各種ウェブサイトなどのおかげで今までよりも「本来の姿」に触れるのが格段に容易になっていますから、この「違和感」という部分の問題は今後ますます大きくなっていくんじゃないでしょうか。


というわけで、これからの日本における「韓流マーケティング」は、文化の受容形態の変化を反映して、従来的な形態から次第に日本仕様ではないより「フラット」な方向性にシフトしていくべきだし、そうなっていってほしいと思います。短期的に見れば目先の利益を失う面も大きいかもしれませんけれども。
できれば新しい潮流である(2007年以降にデビューの)女子アイドルグループの日本進出が、変化が始まる1つの転換点になってくれればという期待は持っていたりするのですが、現状を見る限りでは相変わらず既存の方法論が踏襲されているような印象で、正直なところあまりおもしろくはないですね…

*1:ちなみにiTMSでのアプリではない通常のアルバム音源の価格ですとSNSDが1800円、イ・ヒョリが1500円だったりしますが、これに関しては「音源」は既に国内のオンライン市場で「同じ商品」が流通しているので、ほぼ国外市場のみを意識した価格設定ということなのだろうと理解しています。それでもこれはiTMSの一般的な音源と共通の価格帯にはなっているので一応許容範囲かなと

*2:場合によっては可能性でもあるはずだけれど…