Secretとイ・ヒョリの新譜における作家陣の選び方を比較して思ったこと

ほぼ似たような時期に活動を開始するということでこのところ共に注目が集まっているこの二者ですが、個人的には以下の「作家陣の起用方法」という点が対照的で興味深く感じました。


シークレットカムバック,歌で勝負する…「ヒット曲メーカー団結して」(韓国語記事)
参考:http://kpoptopics.tumblr.com/post/478430034


イ・ヒョリ アルバムにスター作曲家はいない?(韓国語記事)
参考:http://kpoptopics.tumblr.com/post/486615639


「デビューして間もなくまだそれほど人気が確立しているわけではない」というポジションのSecretが定評のある売れ線のヒットメーカーを揃えてきたのに対して、「K-POP界を代表する女性ソロ歌手」というポジションのイ・ヒョリがまだ名前がさほど知られていない新進気鋭の作家を起用してアルバムを制作したという構図。
前者に関しては、楽曲についてある程度安定的なクオリティーや完成度といったものを求めて、後者に関しては、上記記事の中にもあるようにまだ見ぬ「新しさ」の追求というのが起用の主な意図するところかと思われます。


ニューカマーが「新しさ」を前面に出して勝負しているのではなくて、キャリアのあるベテランが「完成度」を前面に出して勝負しているのではないというところがおもしろいんですよね。
なにかこういう構図が今のK-POPが維持している大衆消費文化としての絶妙なバランス感覚の1つの現れであるようにも思えます。
特定のコアな層に向けて過剰に先鋭的になるわけでなく最大公約数に向けて過剰に保守的になるわけでもなく、新しいトレンドを意欲的に取り入れていきながら大衆を惹きつけていくという、大衆消費文化がこういう条件じゃないと成立しないという部分が上手いこと満たされているなあと。


まあ一新参K-POPリスナーがこの一例から適当なことを言ってみただけなので、実際には単にイ・ヒョリのアグレッシブなアティチュード(ロキノン用語)が卓越しているだけなんじゃないか?という話のような気もしますが。


正直なところイ・ヒョリさんはもうアイドルという範疇ではないので、多少以前の曲は聴いていながらもそんなに熱心には注目していなかったのですが、逆にそれ故に4/1に公開された新曲"Swing"とそのMVはかなり衝撃でした。

Lee Hyori feat. LeeSsang - Swing


もうすぐ活動曲の方も発表になることと思いますが、あのティザー写真もきっと「Lady Gagaっぽいと思われる」という意図的な伏線になっているんだろうなあとかいろいろ考えてしまうぐらい期待しています。


Secretの方も新譜の出来が良さげですね。
個人的には特に"3年6ヶ月"のAcoustic Verが気に入ったので、この機会に編曲を担当している韓国ヒップホップ界の大物プロデューサーであるらしいLoptimistさんの曲にも是非一度触れてみてほしいところです。

Loptimist - Amnesia (Feat. Simon Dominic)